VTuberの活動を始める際、キャラクターの魅力を最大限に引き出すためには、質の高いイラスト(立ち絵)が欠かせません。
しかし、初めて依頼する際には、手順や費用感、注意点が分からず不安を感じることもあるでしょう。
本記事では、依頼の手順や費用相場、イラストレーター選びのポイントを詳しく解説します。
理想の立ち絵でVTuberデビューするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1. VTuberのイラスト(立ち絵)とは?
VTuberのイラスト(立ち絵)は、キャラクターを視覚的に表現するための重要な要素です。
主に2Dモデルや3Dモデルの制作の基盤となり、配信活動やプロモーションに使用されます。
立ち絵はキャラクターの全身を描いたもので、VTuberの個性や特徴を視覚的に伝えるために欠かせません。
また、ファンアートや関連グッズ制作のベースとしても活用されることが多いです。
デザインの完成度がVTuberのブランディングや活動の成功に直結するため、慎重な計画と依頼が求められます。
2. VTuberイラスト(立ち絵)依頼の手順5つ
VTuberのイラストを依頼する際には、計画的な準備とスムーズな進行が重要です。
ここでは、依頼の成功に向けた具体的な手順を5つのステップに分けて解説します。
初めて依頼する方でも安心して進められる方法を確認していきましょう。
①イラストの詳細やイメージを固める
依頼を成功させるためには、最初にどのようなキャラクターを作りたいかを明確にする必要があります。
キャラクターの性格、職業、テーマカラー、服装、髪型、アクセサリーなど、具体的な要素をリストアップしましょう。
また、参考になるイラストや写真を用意して、イメージを補足するのも効果的です。
これにより、イラストレーターがスムーズにデザインを構築できるようになります。
②イラストレーター(絵師)に依頼する
詳細が固まったら、次はイラストレーターを選びます。
SNSやポートフォリオサイトで作品を見て、自分のイメージに合うスタイルのイラストレーターを探しましょう。
初めての依頼では、実績やレビューも確認すると安心です。
また、イラストレーターとのコミュニケーションがスムーズに取れるかも選定基準として重要です。
③依頼の単価や納期などの打ち合わせをする
絵師を選んだら、次に料金や納期を確認します。具体的には、ラフ画の提出日、修正回数、最終納品日を明確にしましょう。
また、料金については予算を明示し、見積もりを出してもらうとトラブルを防げます。
契約内容は文章で確認し、必要に応じて簡単な契約書を作成します。
特に2024年11月から「フリーランス新法」が新たに施行されたこともあり、フリーランスへ外注する際の取り決めが厳しくなっています。
フリーランス新法に関してはこちらのコラムにもまとめていますので、フリーランスのイラストレーターに外注する際は必ず押さえておきましょう。
コラム|フリーランス新法がVTuberに与える影響は?適用対象から禁止事項まで徹底解説!
④制作開始される
打ち合わせが完了したら、イラストレーターが制作を開始します。
この段階では、進捗状況の報告を受けながら確認作業を行います。
特にラフ画の段階では、要望や修正点を明確に伝えることが重要です。この段階で修正を怠ると、後の修正が難しくなる場合があります。
また修正依頼の回数がかさむと、イラストレーターによっては別途料金がかかるケースもあります。
修正依頼の回数と追加料金に関しては、事前に確認しておいた方が良いでしょう。
✅パーツ分けについて
VTuberのイラスト制作は通常のイラスト制作とは異なり、「パーツ分け」と呼ばれる作業をイラストレーターに行ってもらう必要があります。
パーツ分けは文字通り、立ち絵を目や口、眉毛、髪の毛など顔や体のパーツごとにレイヤー分けすることを指し、2Dモデルを制作する際に必要不可欠な工程です。
なおパーツ分けを依頼する際、イラストレーターによっては別途料金がかかるケースもありますので、こちらも事前に確認しておきましょう。
✅表情差分について
パーツ分けと同じく、VTuberのイラスト制作において特徴的なのが「表情差分」の制作です。
表情差分とは、顔の表情に応じて数パターンイラストを作成することを指します。
例えば通常の表情に加えて、「笑顔」「怒った顔」「悲しい顔」「呆れた顔」など、それぞれの表情に応じた顔のパーツを作成します。
表情差分の作成もパーツ分け同様、イラストレーターによっては別途料金がかかるケースがありますので、事前確認が必要です。
⑤納品される
最終的に完成した立ち絵が納品されます。
納品形式はPSDやPNG等が一般的ですが、用途に応じて指定することも可能です。
また、著作権や使用権についても確認し、問題がないか最終チェックを行いましょう。
3. イラストレーター(絵師)を探す方法3つ
イラストレーターの選定は、VTuber活動において非常に重要なプロセスです。
ここでは、適切なイラストレーターを見つけるための具体的な方法を3つ紹介します。
それぞれの特徴を比較しながら、自分に合った方法を見つけましょう。
①個人に依頼する
SNSやポートフォリオサイトで活動する個人のイラストレーターに直接依頼する方法です。
個性的で高品質なイラストをオーダーメイドで制作することができる反面、依頼や契約等のやり取りは全て自分で行う必要があります。
また人気のあるイラストレーターの場合、依頼が殺到しているためスケジュール調整が難しいこともあります。
イラストレーターは以下のようなSNSやポートフォリオサイトで検索できます。
- X(旧Twitter)
- Skeb
- pixiv
なお個人のイラストレーターに直接依頼した際、納期を過ぎても納品しなかったり、報酬の支払い後に音信不通になったりするケースもあります。
信頼性の高いイラストレーターかどうか、事前に見極めることが重要です。
②クラウドソーシングサイトで依頼する
クラウドソーシングサイトを利用する方法も一般的です。
サイト上で依頼内容を公開し、応募してきたイラストレーターの中から選ぶことができます。
また、イラストレーター自身がサイト上で出品しているケースもあります。価格とセットで掲載されており、その中から選んで依頼することも可能です。
どちらにしても手軽に利用できる反面、クオリティの幅が広いため、慎重な選定が必要です。
また、仲介手数料が発生することも考慮しましょう。
以下のようなクラウドソーシングサイトで依頼することが可能です。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
③制作会社に依頼する
プロの制作会社に依頼する方法もあります。
制作会社は、経験豊富なスタッフが多いため、クオリティや納期・契約の面で信頼性が高いです。
ただし、個人依頼やクラウドソーシングよりも費用が高めになることが一般的です。
4. VTuberイラスト(立ち絵)の費用相場
VTuberの立ち絵を依頼する際に気になるのが費用相場です。
料金は依頼する相手やサービスによって大きく異なります。
このセクションでは、個人、クラウドソーシングサイト、制作会社のそれぞれでの費用感を比較し、自分に合った選択をするための参考情報を提供します。
💡個人の場合|数万円〜20万円程度
個人のイラストレーターに依頼する場合、費用は比較的幅があります。
経験の浅い絵師の場合は数万円台から依頼できることもありますが、有名な絵師や高品質なイラストを求める場合は20万円程度が相場となります。
💡クラウドソーシングサイトの場合|数万円〜
クラウドソーシングサイトで依頼する場合も、費用は比較的幅があります。
最低価格は数千円からですが、プロフェッショナルなクオリティを求める場合は数万円あるいは数十万円以上を見込む必要があります。
価格とクオリティのバランスを見極めることが大切です。
💡制作会社の場合|10万円〜数十万円
制作会社に依頼する場合、費用は10万円以上が一般的な相場です。
プロジェクトの規模や内容によってさらに高額になることもありますが、その分クオリティの保証があるため、特に重要なプロジェクトには適した選択肢です。
なお制作会社によっては、パーツ分けや表情差分、更には2Dまたは3Dモデルの制作もセットで請け負ってくれる場合もあります。
モデルの制作を一括して丸投げしたい場合は、制作会社に依頼するのがオススメです。
5. VTuberイラスト(立ち絵)を依頼するときのポイント
VTuberイラストを依頼する際には、スムーズな進行と高い満足度を実現するための工夫が必要です。
ここでは、依頼時に注意すべきポイントを2つに絞って解説します。
これらを押さえることで、理想的なキャラクターを形にする手助けとなるでしょう。
①依頼の詳細やイメージを細かく伝える
具体的なイメージや詳細を伝えることで、イラストレーターの理解が深まり、完成度の高いイラストが期待できます。
キャラクターの性格、職業、服装、テーマカラーなどを詳細に説明することで、イメージの齟齬を防ぎましょう。
また、色見本や参考画像を共有することも有効です。
さらに、イラストに取り入れたい独自性やこだわりについても具体的に記載することで、よりオリジナリティ溢れる立ち絵が完成します。
これらを通じて、イラストレーターとのスムーズなコミュニケーションが可能になります。
②著作権について理解・確認する
依頼時には著作権や使用権についてしっかり確認しましょう。
特に商用利用の場合、著作権がどちらに帰属するのか、追加料金が発生するのかなどを明確にしておくことが重要です。
例えば、商用利用時に追加料金が発生するケースがあるため、契約内容を詳細に確認することが必要です。
また、使用権の範囲(配信のみ、グッズ制作も含むなど)を事前に話し合うことで、後々のトラブルを回避できます。
✅著作権譲渡について
著作権譲渡とは、本来制作者であるイラストレーターが有する著作権を、イラストの買い手側に譲渡することを指します。
これにより、買い手はイラストレーターの許可なく、イラストを商用利用(配信の収益化・グッズ販売など)することが可能になります。
なお著作権譲渡の際には別途契約書が必要な場合がありますので、予めイラストレーターに確認しておきましょう。
✅著作者人格権について
イラストの著作権は譲渡可能ですが、著作者人格権は譲渡することができません。
著作者人格権とは、著作物の創作者である著作者が精神的に傷つけられないよう保護する権利であり、具体的には以下の4つの権利を指します。
- 公表権(著作物を、著作者以外の第三者によって無断で公表されない権利)
- 氏名表示権(著作物を公表する場合、どのように著作者名を表記するか決定できる権利)
- 同一性保持権(著作物を無断で改変されない権利)
- 名誉声望保持権利(著作物を、著作者が望まない形で使用することを禁止する権利)
著作権譲渡済みのイラストであっても、著作者人格権はイラストレーターに帰属するため、これを侵害する行為は絶対に行わないようにしましょう。
6. まとめ
VTuberのイラスト(立ち絵)は、活動を支える基盤となる重要な要素です。
キャラクターの魅力や個性を最大限に引き出すことで、視聴者やファンに強く印象付けることができます。
依頼の際には、手順や費用、注意点をしっかり把握し、イラストレーターと適切なコミュニケーションを取ることが成功の鍵です。
また、事前の計画や細かな要望の伝達によって、完成度の高い立ち絵が実現します。
これらを意識することで、VTuber活動をより一層充実したものにすることが可能です。
なお、イラストレーターに予め確認しておくべき点について以下にまとめましたので、依頼する際は必ずチェックしてください。
✅イラストレーターに確認しておくべきこと5点
- 納期
- 価格
- 立ち絵の制作費
- 修正依頼の回数制限と追加費用
- パーツ分けの費用
- 表情差分の追加費用
- 著作権譲渡の費用
- 支払いのタイミング
- 納品形式(PSDなど)
- イラストの使用範囲について(商用利用OKか、どこまでの使用を認めるか等)
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